大人になったら歯周病に注意!?
歯周病は30代からその数が増え始め、45歳を過ぎると歯周病にかかっている人の割合が高くなり、50代でピークとなります。
なぜこんなに歯周病にかかっている方が多いのでしょうか。
その理由は、歯周病の進行の仕方にあります。
歯周病は無自覚のまま進行する病気なので、自覚症状が出た時には、病状は中等度以上で、歯槽骨の吸収がかなり進んでいるというケースも少なくありません。
歯周病の予防のためには、まずプラークの除去が最優先です。
当院では、プラークコントロール、早期発見、早期治療を通じて、 健康な歯で噛むためのお手伝いをしています。
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目次
こんなお悩みありませんか?
- 歯茎が赤く腫れている
- 歯茎から出血がある
- 口臭が気になる
- 歯が揺れている
歯周病について
歯周病とは
歯周病とは、歯と歯肉の間に細菌が入り込み、周りの歯周組織に炎症を広げることで起こります。
最初は歯肉の炎症だけですが、嫌気性菌という歯周病の菌はより酸素のない環境を好むため、歯槽骨の方へと奥深く進んでいきます。
その結果、歯槽骨周辺にも炎症が起き、歯槽骨の吸収が起こります。
ただ、歯周病はある日突然ひどくなるわけではありません。
段階を追って進行していくため、適切な経過観察や処置を行っていれば重症化や歯の喪失を防げます。
また、多くの治療を保険診療内で行うことができるため、どのような方にも積極的に予防処置や治療を受けていただけます。
歯周病と全身の症状との関係性
●直接的なもの
歯周病によって起こる疾患は直接的なものと間接的なものに分けられます。
・誤嚥性肺炎
歯周病によって起こる直接的な疾患に誤嚥性肺炎があります。
誤嚥性肺炎は、歯周病菌が肺の中に入り炎症を起こすことによって起こる肺炎です。
しかしいくら注意していてもお口の中の菌を0にすることはできません。
そのため気管と食道の間を隔てる蓋の機能が衰えてしまうと、どなたでもかかりやすくなってしまうのが誤嚥性肺炎です。
●間接的なもの
・糖尿病
糖尿病と歯周病はお互いに影響しあっている疾患です。
糖尿病にかかっている方は歯周病が悪化しやすく、歯周病を患っている方は糖尿病が悪化しやすい傾向にあります。
歯周病菌の毒素が身体に入り込んだ時に免疫システムが働きます。
この免疫システムを活性化させる物質が、インスリンの効きを悪くする物質であると最近の研究により分かりました。
糖尿病では脂肪組織が成熟してくると、この物質と同じものが多く作られ、それがインスリンの効きを阻害し糖尿病悪化の原因につながります。
また、糖尿病で歯周病が悪化するのは免疫機能が衰えるためです。
唾液の分泌量も減少するため、さらに歯周病が悪化しやすくなります。
・循環器疾患、脳血管疾患
血流に乗った歯周病菌は心臓や脳にも運ばれます。
歯周病菌があることで作られるサイトカインは、循環器や脳の血管の内壁に脂肪性の沈着物を作り、血液の通りを悪くすることが分かっています。
これにより直接血管がつまったり、はがれて流れた沈着物が他の部位でつまったりすることにより、循環器疾患や脳血管疾患が引き起こされると考えられます。
歯周病の方は歯周病でない方とくらべて、1.5倍以上も脳梗塞になりやすいといわれています。
・認知症
認知症にはアミロイドβというたんぱく質が深く関わっており、炎症性の疾患です。
このアミロイドβが脳に蓄積されることによって認知症が発症します。
また歯が抜けている本数が多いほど、認知症を発症しやすいという研究結果もあります。
・関節リウマチ
関節リウマチは自己免疫疾患という、自分で自分を攻撃してしまう病気です。
慢性的な炎症で骨が破壊されるという点などが、歯周病とリウマチの良く似た点です。
少し前まではリウマチの病態の一つとして、歯肉の腫れや歯周病の悪化があると考えられていました。
しかし現在では歯周病菌がリウマチを悪化させ、相互に影響し合っているという研究結果も出ています。
歯周病の原因・メカニズム
歯周病のメカニズム
歯周病は細菌に感染したことによる炎症性の疾患ですが、細菌はおもにどこに潜んでいるのでしょうか。
歯周病菌はプラーク内に潜んでおり、プラーク1mg中に1億個の細菌が住み着いているといわれています。
このプラークは付着したばかりだと歯ブラシで除去しやすいですが、しばらく経つとバイオフィルムという細菌同士がしっかりとスクラムを組んだような状態になり、プラーク内に免疫機能が行き渡りにくくなるため、より歯周病を悪化させる原因になります。
歯周病の増悪因子
●喫煙
喫煙は歯周病の代表的な増悪因子です。
たばこの煙に含まれる物質が口腔内の免疫機能を低下させます。
また喫煙者は歯周病の進行に気づきにくいのが特徴で、気づいた時には中等度以上の状態であるというケースも少なくありません。
●妊娠
歯周病菌は女性ホルモンを好むため、妊娠中は歯周病にかかりやすくなります。
つわりで歯が磨けないなどという理由も増悪因子になるため、妊娠中にかかる歯周病を総称して妊娠性歯肉炎と呼んでいます。
●全身疾患
糖尿病や関節リウマチなど、免疫機能が衰える全身疾患は歯周病の悪化につながります。
●歯並びの悪さ
歯並びが悪いと清掃性が悪くなることから、歯周病の悪化につながります。
また歯並びが悪いことで1箇所の歯だけ強く当たると、その部分の歯槽骨の吸収が進むため、このような理由でも歯周病の増悪因子になります。
●ドライマウス
唾液の自浄作用が働きにくくなることでお口の中に細菌が留まりやすくなり、歯周病の悪化につながります。
●不規則な生活やストレス
歯周病は炎症性疾患のため、自分の免疫がうまく働かなくなるほど増悪します。
そのため不規則な生活やストレスなどで免疫機能が働きにくくなると、歯周病が悪化する傾向にあります。
歯周病のセルフチェック
こんな症状は要注意
●出血がある
炎症があると出血しやすくなります。
歯を磨いた時などに出血する方は気を付けましょう。
●口臭
歯周病には独特の臭いがあります。
玉ねぎの腐ったような臭いと表現されることもあります。
●歯が長くなる
歯槽骨が減り、歯肉が下がると歯根部分が露出し始めます。
そのため、歯が長くなったように見えます。
●ブラックトライアングルが現れる
歯槽骨が減り、歯肉が下がることで歯と歯の間にぴったりおさまっていた歯肉に隙間ができます。
この隙間が三角形に見えることから、ブラックトライアングルと呼ばれます。
●知覚過敏
歯根が露出することによって知覚過敏が起こります。
歯がしみて痛い場合は、検査をしてもらいましょう。
当院での歯周病に対するアプローチ
定期検診
●ブラッシング指導
ご自宅でのセルフケアにおけるお悩みなどをお聞きしながらブラッシング指導を行います。
また清掃補助用具をどのように使ったら良いかというようなアドバイスもさせていただいています。
●スケーリング
歯石やプラークをとるためにスケーリングを行います。
●歯面研磨
スケーリングをした後は、歯をつるつるに仕上げるために、歯面の研磨を行います。
またステインなどの歯ブラシで落ちない着色汚れにも歯面研磨は効果を発揮します。
● 歯周組織検査
必要に応じて歯周組織検査を行います。
歯周ポケットの深さ、出血、歯の動揺度などを計ります。
● 生活習慣指導
必要に応じて、生活習慣指導を行います。
ホームケア
●正しいブラッシング
歯科医院でのプロフェッショナルケアも大切ですが、何よりもご自宅での正しいブラッシングがケアの基本となります。
歯周病のケアにおいては、歯と歯肉の境を清掃できることがとても大切で、45°の角度で歯ブラシを当て細かく動かします。
また歯ブラシだけで落とせる汚れは全体の60%ほどといわれています。
清掃補助用具を使用することで落とせる汚れが90%ほどに上がります。
●規則正しい生活
歯周病は炎症性の疾患です。
そのためご自分の免疫がきちんと働いていれば、症状の進行は遅くなります。
規則正しい生活をして免疫力をあげましょう。
再発予防の大切さ
早い段階から予防や治療が開始できれば、それだけ歯周病の痛みや歯を失うリスクが減ります。
大切な歯を長く使うためにも、是非定期的なチェックを欠かさないようにしましょう。
よくある質問
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若年者に歯周病は起こらないのですか?
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若年性歯周病という歯周病があります。
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妊娠中は歯磨きがつらいです。
どのように清掃すれば良いですか? -
少し楽な時間を見つけるなどして磨いてみましょう。
また、どうしてもつらい場合はうがいだけでもしておくと良いでしょう。
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糖尿病やリウマチなどで歯周病の治療をするように言われました。
そのような相談はできますか? -
全身疾患がある方に対しても歯周病の治療を行っています。
場合によっては内科の医師と連携して治療を行います。
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清掃補助用具はどんなものを使えば良いですか?
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歯間ブラシ、フロス、タフトブラシがおすすめです。
どれを使えばよいかについてはブラッシング指導でアドバイスさせていただきます。
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口臭と歯周病は関係があるのですか?
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歯周病により口臭は起こります。
著者 Writer
- 岡 琢弓
- 資格:日本小児歯科学会専門医、日本障害者歯科学会認定医
患者様へひとこと:
お子様のお口の健康維持は、ご家族の管理なしでは成り立ちません。
ご家族と一緒に、子ども達を健康に育てるために、私達は少しでも貢献できれば幸いだと思っております。
どうぞお気軽にご来院下さい。
診療案内
MEDICAL
歯科相談
当院では座間市の公的な歯科健診に対応しています。
3ヶ月から半年に一度の定期検診を行うという考え方はかなり一般に広がってきましたが、まだそのようなかかりつけ歯科医を持てない患者様もいらっしゃいます。
歯科医院にかかりたいと考えている方は、市の助成を受けた当院の歯科相談をお受けください。
小児歯科
当院の小児歯科では、「子供たちのお口の健康は家族みんなで守っていこう」を方針とし、診療を行っています。
小児専用の治療スペースやプレイルーム、診療後にガチャガチャなど回してもらうなど、お子様がより良い気持ちで通っていだたけるように設備面でもさまざまな工夫をしています。
矯正歯科
歯並びが悪いと「審美面」「機能面」「清掃面」という3つの方向からのリスクが考えられるため、矯正治療が重要になります。
お子様の矯正治療は「1期治療」「2期治療」の2段階で行い、大人の矯正治療は2期治療になります。
かみやすい、清掃しやすい歯でより健康な生活を送れるようお手伝いします。
口腔外科
当院の口腔外科では「親知らず」「顎関節症」「舌小帯などの付着異常」「口腔内の外傷」について治療を行っています。
その他、舌や粘膜についてのご相談も可能です。
また、外科処置は事前に説明の時間をいただきます。
具体的には全身疾患の状態や、お薬の確認、術式、治療後の注意点、予約のとり方、ご心配なことの相談を行います。
一般歯科
当院では
子供から大人、親になっても継続して通える「地域のかかりつけ歯科」として、皆様のお口の健康をしっかりとサポートします。
0歳~12歳頃までは小児歯科、永久歯列が完成した中学生以降は一般歯科で治療を行っています。
小児歯科と一般歯科ではよりスムーズに行えるように診療室が分かれています。
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